アウランガーバードから北西、バスで1時間ほどのところにあるエローラ(Ellora)には仏教石窟群(No.1~12、7~8世紀)、ヒンドゥー教石窟群(No.13~29、6~9世紀)そしてジャイナ教石窟群(No.30~34、9世紀頃)がある。その中でも圧巻なのが第16窟(カイラーサナータ寺院)だ。石工たちがノミで削ること100年。気の遠くなるような造形である。崖の上から見ると吸い込ませそうである。
筆者はアジャンタ訪問の翌日2011年12月12日にここで一日を過ごした。
【行き方】
アウランガーバードのバススタンドからのバスがある。筆者は、アジャンタからアウランガーバードまで戻らずに、途中のPhulambriでバスを乗り換えてエローラに向かった。
【インドの公共交通機関】
日本の地方では車社会であり、バスなどの公共交通機関は衰退しているが、インドでは人々の移動はバスである。そのため、網の目のようにバスが走っているので旅人には便利である。
しかも、満員になったら出発。乗れるだけ乗せる。たぶん運転手と車掌とも歩合制なのかもしれない。
Phulambriからエローラへはバスというより、ワゴン車だ。筆者は外国人料金なのでVIP待遇で、助手席に乗り、しかも運転手がそのドアを内側からロックして他の人が乗れないようにしてくれた。後ろはぎゅうぎゅう詰め乗客であった。
もっとすごかったのは、ゴンダから祇園精舎へ向かう80㎞を5人乗りのジープに18人乗っていたことだ。筆者は前座席中央に乗ったので、股座の間にシフトレバーが来ていた。前座席には5人乗った。後ろの乗客は外側の手すりにつかまっていた。これで、舗装の傷んだ道を時速80㎞ですっ飛ばすのである。定員なんてものはない。完全な歩合制のようだった。スリル満点。もう二度と乗らない。
更にすごかったのは、ネパールでルンビニに向かうバスでは屋根にも乗っていた。