トルファン

筆者は2016年10月15日にやっとの思いでたどり着いた。新疆ウイグル自治区のあるトルファンは地球上で海から最も離れたところである。人々に海に行ったことがあるかどうか聞いてみたがほとんどはないとの回答。
ここにはかつて高昌国があり、玄奘三蔵がインドへ向かう途中で国王麹文泰(きくぶんたい)に厚くもてなされ、2か月ほど滞在し、1か月に渡り説法を行った。国王に引き留められたが、「志を果たさずして帰ることはありません」と決意を示し3日間の断食で抵抗した。国王は諦め、多額の路銀と道中の国々に安全を根回しした。また、玄奘三蔵は帰途に立ち寄ることを約束したが、その後、唐に滅ぼされたことを知り、ホータンからタクラマカン砂漠の南路を通り帰国を急いだ。
次の動画は高昌故城の西南大仏寺跡の風景。きっとここで玄奘三蔵が説法を行ったに違いない。
一眼レフカメラで撮影した映像を失くしてしまい、スマホの映像しか残っていないのが残念である。

ここは玄奘三蔵がインドへの求法の旅で立ち寄った高昌国の遺跡。真夏には50度の世界ですが、10月となると心地よい風に吹かれます。 ここ西南大仏寺で玄奘三蔵が講義をしたことに思いを馳せて、ルワープの音色を楽しみました。
トルファンの市場にてソーナと太鼓のストリートミュージシャン

ベゼクリク千仏洞は火焔山の中腹にある石窟で、83の石窟がある。多くはイスラム勢力に破壊され、更にはドイツの探検隊により剥がされ、見るも無残な姿になってしまった。かすかに残る壁画が往時を偲ばせた。

トルファンの町からレンタサイクルで交河故城を訪ねた。
交河故城の入り口。二つの川に挟まれた天然の要害
トルファンの町はずれに東大寺があった。びっくり。これはイスラムのモスクである。中国では真清大寺という

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【トルファンへの行き方】
筆者は2016年10月14~17日をトルファンで過ごした。トルファン盆地は標高がマイナス100mほどで夏の暑さは激烈だそうだ。しかし、湿度が低いので日陰は快適。10月は程よい気候で快適であった。蚊がいないので人々は外の日陰にベッドを出して寝る。
北京から国内線でウルムチまで飛び、南郊バスターミナルからトルファン行きのバスに180㎞、3時間ほど乗る。トルファンにバスが着くと日本語堪能なガイドが早速やってくる。シルクロードブームの時には稼いだが、今はダメだとのこと。そこで、翌日のタクシーを1日チャーターした。運転手はウイグル人で言葉は全く通じない。ベゼクリク千仏洞、火焔山、高昌故城、アスターナ古墓群などを訪問した。
トルファンはブドウやスイカの名産地である。ブドウは干しブドウにする。砂漠でも水があれば果樹は育つ。水は天山山脈の雪解け水がカレーズ(古代からの地下水路)を通じて豊富にあり、果樹の根元ごとにホースが通してある。水の管理ができるので、日本のように降雨任せではない。
また、ラグマンが美味しい。ラグマンとはマトンとトマトベースの麺で、麺はぎゅーと伸ばして細くしてからすぐに茹でる。


高昌故城


ベゼクリク千仏洞 火焔山の北側にある

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