玄奘三蔵 生誕の地
玄奘三蔵の納骨の地は参拝したので、生誕の地を訪問してみようと思い立った。 玄奘に関する書籍には洛陽郊外とあるだけで、詳細はない。そこで、google Mapでその周辺を探し回ったら、玄奘故里(シャンチャンクーリー)を発見した。更に、その近くには玄奘寺もある。
玄奘故里は、偃師(えんし)市(洛陽市東隣の町)南部■氏鎮(■は糸偏に侯)で、拳法で有名な少林寺へ向かう街道沿いにある。
洛陽にて龍門石窟を参拝した翌日の2010年3月8日に、タクシーをチャーターして向かった。
玄奘三蔵は、俗姓を陳(ちん)といい、祖父、父ともに学問に優れ、幼少からその影響をを受けていた。玄奘の素質は抜群で、一族の人々はみな玄奘に期待を託し、才能を祝福していた。4人兄弟の末っ子で、次男の長捷(ちょうしょう)は先に出家していた。 長捷は弟の才能を見抜き、道場に迎えて経典を勉強させた。その秀でた力は僧侶任命役の官吏にも認められ、玄奘は幼くして特別に出家を許された。 (当時は、誰でも自由に出家出来るわけではなかった。出家するということは、国家にとっては税収が減るわけで損失となる。そこで、国家の許可制であった)
よって、玄奘が生まれ故郷で過ごしたのは、洛陽の浄土寺にいる長捷のもとへ行くまでの約10年間であった。
玄奘故里
生家のあった所が、ここ玄奘故里である
入場料30元で入場
大理石製の玄奘像
英文の解説文
中文の解説文
最奥には玄奘堂が佇んでいる
その中には玄奘三蔵とその弟子の像が祀ってある
青年時代のお顔
堂内には玄奘生涯の様子を描いた絵画が掲示してある
玄奘三蔵が実際に使ったベッドと家具
勉強した机が1400年の時を超えて現存する。
ここに腰掛けてお茶を楽しんだのであろうか
玄奘堂の裏手では何やら大工事が進んでいた
両親の墓所
唐の皇帝高宗が長安から洛陽へ行幸することになり、玄奘三蔵も翻訳僧を伴って随行した。そこで、これを機会に郷里を訪れ、ただ一人生き残っていた姉といっしょに両親の墓参りをした。玄奘56歳となっていた。これを知った皇帝は、勅許を出して公費で墓の改葬を行った。法事には一万人余りが参列したという。
玄奘堂から歩いて5分ほどの所の畑の中に両親の墓所がひっそりとある。 案内がないとたどり着けない。立っているのはタクシードライバー
この付近は黄土高原の真ん中であり、至る所にこのような崖がある。
新玄奘寺
玄奘故里の隣では、2012年の落成を目指して新玄奘寺の建設が進んでいる。
境内全景の完成予想図
強大な大雄宝殿の完成予想図
行き方
まず、洛陽への行き方
洛陽へは、北京あるいは上海からの空路や鉄道がある。日本からのアクセスは不便なので中国二千年の古都なのにパックツアーは少なく日本人旅行者は見かけない。
筆者は、まず北京へ飛び、1日2便ある中国東方航空の国内線で洛陽へ飛んだ。
国内線の予約は、JTB Chinaのページが便利である。日が迫ってくると20%~50%offとなってくるので早めに予約するか、それとも安くなるまでぎりぎり待つか駆け引きが楽しい。
予約は、日本語メールで行い、支払いはクレジットカード番号をファックスした。
玄奘故里への行き方
筆者は、洛陽のホテルフロントでタクシーをお願いした。交渉の結果、300元で往復。少々高くつくのが一人旅の辛いところ。2人なら半額なのに。
玄奘故里からもう少し足を延ばせば、拳法で名高い少林寺まで行ける。
安く行くには、偃師市までバスで行く。バスは、洛陽駅前から頻発している。偃師市から登封市行きのバスで途中下車する方法か、タクシーを利用する。
雨天の中、洛陽から白馬寺を超え、東へ進むと、■氏鎮(■は糸偏に侯)の案内がある。
洛陽から80km、1時間ほどで玄奘故里が見える
この坂を下った先、左側が玄奘故里
Giigle Mapで見ると
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